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国内で流通している主な塗料メーカー

外壁や屋根の塗料メーカーといえば、国内には多数の企業が存在しています。中でも日本ペイントや関西ペイントといった大手メーカーが大きなシェアを占めています。また、それらの大手に負けず、アステックペイントや水谷ペイントのような中規模メーカーも機能性での競争を展開しています。

以下では、主要な塗料メーカーとその特性について詳しく説明します。

◆日本ペイント

日本ペイントは1881年に設立された、現在国内シェアNo.1の塗料メーカーです。親しみやすく「ニッペ」とも呼ばれています。ニッペが製造する「パーフェクトトップ」は国内初のラジカル制御塗料として知られています。

「ラジカル」とは、塗料の成分である酸化チタンに紫外線が当たると発生し、塗料中の樹脂を分解して劣化を促進する物質です。ラジカル制御塗料は、このラジカルの発生を抑制し、塗料の長期的な劣化を防ぐ役割を持ちます。また、屋根塗装でよく使用される「サーモアイSi」も、同社の製品です。下塗りにも遮熱機能が備わっており、コストパフォーマンスと耐久性が高い塗料として評価されています。

◆関西ペイント

関西ペイントは1918年に創業され、塗料事業の成長に焦点を当ててきました。海外展開も行っており、地域ごとのニーズに合わせた製品開発に力を注いでいます。例えばマラリアが大きな問題となっているアフリカ地域では、虫除け塗料の開発と普及に取り組んでいます。

製品ラインナップとしては、外壁用ラジカル制御塗料「アレスダイナミックトップ」や、無機と有機の特性を活かした「ダイナミックMUKI」があります。「ダイナミックMUKI」にはラジカル制御技術が採用されており、フッ素樹脂塗料を上回る性能を発揮すると評価されています。

◆アステックペイント

アステックペイントはオーストラリアの日本総代理店として設立されました。オーストラリアは紫外線量が日本の3~5倍という過酷な自然環境下で、塗装は特に劣化しやすく、耐久性のある塗料が求められています。

そんな中、アステックペイントは美観の維持という日本特有の課題に対応しています。排気ガスや黄砂・PM2.5などの汚染物質が増加する中、美観を維持するための「超低汚染リファインシリーズ」を開発しています。遮熱性と超低汚染性を兼ね備えており、外壁が汚れて機能が低下するという従来の遮熱塗料の問題を解消しています。これらの特性は、窯業系サイディングの施工にも適しています。

その他の主な塗料

・シリコン REVO1000(外壁)

・スーパーシャネツサーモ F(屋根)

◆水谷ペイント

水谷ペイントは、塗装分野で初めて井上春成賞と工業技術賞をダブル受賞した企業であり、塗料業界で初めてエコマークを取得するなど、環境保全にも配慮しながら高品質・高機能な塗料の製造に力を入れています。

ダブル受賞につながった技術を活用し、外壁塗料「ナノコンポジットシリーズ(ナノコンポジットW・ナノコンポジットF)」を開発しました。この塗料はナノテクノロジーを利用して塗膜の表面を滑らかにし、汚れが付着しにくい構造を実現しています。これにより、汚れだけでなく紫外線や雨水の影響も最小限に抑えることが可能となります。

【その他の主な塗料】

・快適サーモF(屋根)……下塗りと上塗りのダブルの遮熱効果で屋根の温度上昇を抑えます。

日本には多様な塗料メーカーがあり、それぞれに独自の特性や特徴があります。塗装工事を進める際には、ご自身の要望や予算、対象となる建物の状況などを施工業者に伝え、最適な塗料を選択することが重要です。それぞれのメーカーが開発した塗料は、独自の技術や視点から製造されており、様々な要求に対応可能です。良い塗料選びは建物を長期間保護し、美観を維持するための重要なステップです。