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適切な塗装工事には適正な塗布量と硬化時間がある

「塗膜が厚いほど良い」と一般的に考えていませんか?
実は、塗膜が厚すぎるのも薄すぎるのも問題です。塗装工事では、適切な施工方法、塗布量、硬化時間を守ることが、塗膜の機能を最大限に発揮
するために重要です。

 

適正な塗布量が存在する

塗料メーカーは、各種塗料ごとに「1㎡あたりに使用する塗料の量(または1缶あたりの塗り面積)」を規定塗布量として設定しています。
これは、塗料の性能を最大限に引き出すために、どの程度の面積に対してどれだけの塗料を適切に使用すべきかを示す指針です。

例えば、1㎡当たりの塗料使用量が0.11kgの場合、150㎡の外壁を塗装する場合、必要な塗料量は16.5kgです。もし、塗料の容量が15kgの缶1本分で
済ませてしまった場合、塗膜は適切な厚みにならず、望ましい光沢が得られず、数年後には色褪せやひび割れが発生する可能性が高まります。

一方、塗料を厚く塗る場合も問題が発生します。塗料が厚すぎると、表面と内部で乾燥までの時間に差異が生じ、亀裂やひび割れが発生しやすく
なります。また、液だれや小さな泡状の膨れも発生する可能性があります。したがって、適切な量の塗料を施工することが重要です。

特定のデザインの外壁や凹凸のある表面の場合、塗料の適正量は増加することがあります。しかし、業者が塗料を薄めることは避けるべきです。
塗料を薄めると塗りやすくなり、作業が迅速に進行し材料費や人件費の削減につながりますが、これは悪徳業者が利益を追求するためによく行う
行為です。薄い塗膜は問題を引き起こす可能性が高く、避けるべきです。

したがって、業者選びの際に適正な塗料量について質問し、確認することが重要です。

 

硬化時間を守る

適正な塗布量を守るだけでなく、硬化時間を確保することも重要です。
外壁塗装では、下塗り・中塗り・上塗りと段階的に塗装を重ね、適切な厚みの塗膜を形成します。各作業と作業の間に十分な硬化時間を確保しないと
塗膜が適切な厚みになりませんし、下の層の塗膜が収縮してしまう可能性があるため、塗膜が早期に剥がれてしまうことがあります。

外壁塗装において、気温や湿度・塗料の種類・塗装環境などが硬化時間に影響を与えます。気温が5℃以下や湿度が85%以上の場合は、塗料が十分に
乾燥しないため施工は避けるべきです。

また、気温が低い場合には硬化に時間がかかり、高温の場合には硬化が早く進行します。塗料の希釈率を守らないと、硬化にかかる時間も変わって
しまうため、希釈率と適正な塗布量を守ることが大切です。

完全な乾燥には約1か月かかることが一般的です。塗膜の乾燥は段階的に進行し、指触りで乾燥(指で軽く触れても塗料が付かない程度)
半硬化乾燥(塗膜を軽く擦っても擦り跡が付かない程度)、硬化乾燥(塗装面を強く押しても凹まない)の段階を経ます。
これらの段階を終えるには1~2か月の時間が必要です。天候や環境条件によっては変動することがありますが、硬化時間を守ることは塗膜の品質を
確保するために不可欠です。

適切な塗布量と硬化時間に関する知識を持ち、塗装工事を計画・実施しましょう。
これによって、より品質の高い塗り替えが実現します。