我が家に塗り替えが必要かどうかチェックするには、どこを見たらいいのか?
実際に自宅の外回りを自分で確認し、劣化の進みやすい箇所を見てみましょう。
塗り替えでは最もメインになるのが外壁です。この塗装によって建物の印象は一新されます。
まずは、外壁の汚れやくすみ、色褪せをチェックします。
さらに、ひび割れや塗装の剥がれや膨れがないか等も細かく見てみましょう。
陽の当たりにくい北側の庇(ひさし)の下など湿気の多い場所には、カビやコケ、藻が発生していることがあります。
コケを放っておくとカビの発生する原因になったりするので、
塗り替えの時には、高圧洗浄で一度きれいにしてから塗装することになります。
↑ 外壁のひび割れ、色褪せ
屋根は、雨風や日光から家全体を守る最も重要な部分ですが、
普段なかなか上に登って見ることができないため、劣化のチェックを自分でするのは難しい箇所になります。
屋根の部材は、「粘土系(瓦など」「金属系(トタンなど)」「スレート系」の三系統に分類できます。
ですが、現在ではスレート系でコロニアルと呼ばれる特殊石綿セメント板を使用したものが約七割と言われています。
いずれの場合も、一定の時期に葺き替える(注①)か、塗装の塗り替えが必要になります。
一般的なストレート屋根の場合、通常7~10年で防水性がなくなると言われています。
セルフチェックの難しい屋根は、年数を参考に葺き替えや塗り替えを検討してみるのもいいでしょう。
注①・・・屋根の材料を新しく取り換えることを、葺き(ふき)替えと言います。
↑ 瓦の屋根
↑ トタンの屋根。錆が目立ちます
↑ スレート屋根 塗った塗膜が色褪せてきてしまっています。
★・・・
屋根の棟(一番尖っている部分)に乗っている、細長い板金を棟板金(むねばんきん)といいます。
棟板金は屋根のサイドから釘で固定しているのですが、
時間の経過によって釘が緩んできてしまっていたり、また完全に抜けてしまっている場合に棟板金が外れてしまっていることがあります。
この様な状態のまま放っておくと、隙間から雨水などが入り込み、雨漏りの原因になってしまったり、
強風の際に棟板金が飛ばされてしまい思わぬ事故となってしまうこともあります。
屋根に上らずに目視で確認することは難しいですが、屋根の工事の際には同時に修繕を行います。
↑ 棟板金の一部がとれてしまっています
住宅には鉄をはじめ、アルミ、ステンレスなど金属系の外装材も多く使われています。
屋外の階段やフェンス、物干しやベランダの手すり、サッシ等の建具です。
鉄部にはサビが発生しやすく、そのまま放置しておくと、腐食してしまいます。
そうなってしまった場合には塗装のし直しでは済まなくなってしまうので、発見した場合には速やかに処置することが必要です。
鉄部のサビはしっかりとサビを落とした上で、サビ止めを施してから塗装し直しとなります。
金属系の外装材の場合には、その材質、既存の塗膜の種類を事前に調べて把握してから、
適切な下処理と塗装の仕様を選ばなくてはなりません。
↑ 塗装が剥がれ錆も目立ちます
シーリングというのは、建物の気密性や防水のために、
サイディング外壁やサッシ回り、タイルなどの隙間を目地材などを詰めて塞ぐことです。
その材料であるパテなどをシーリング材(剤)といいますが、種類や用途なども数多く、材料も工程も「シーリング」と呼ばれます。
「コーキング」と呼ばれることもありますが、一般的には同じことです。
このシーリングも外壁と同様に、日光や雨風などによる経年劣化で
汚れや色あせが出て、約10年程でシワや硬化によるひび割れ等が発生してきます。
ひび割れなどの状態になると、雨水などが侵入してきたり、シロアリの発生や家全体のの腐食を進めてしまいます。
劣化が退色程度の場合にはシーリング部分を含めて塗り直すことも可能ですが、
壁材などのヒビ割れが出ている場合には、シーリングを打ち直すことが必要です。
↑ シーリングの劣化