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〜木部の塗装(キシラデコール・ガードラック)〜

日本の文化に深く根差している木造建築。その美しさと機能性は、特に四季を感じさせる日本の風土において、私たちの生活を豊かにしてくれます。
しかしその一方で、木材は湿気や虫、紫外線などの影響を受けやすく、そのメンテナンスは欠かせません。
今回は、そんな木部のメンテナンス方法の一つである塗装について、そして木部専用の塗料であるキシラデコールとガードラックについて詳しく解説していきます。

 

まず、木部の塗装がなぜ必要なのか、その理由を考えてみましょう。木材は湿度の変化によって伸縮し、調湿機能を持っています。これにより、私たちの生活環境を心地よく保ってくれます。一方で、湿気により腐ったり、虫に食われたり、紫外線による劣化や、乾燥による割れなど、さまざまな問題を引き起こす可能性もあります。こうした木部の特性に対処するために、適切な塗装が必要となるのです。

木部の塗装は、建物自体を劣化から守り、その寿命を延ばすだけでなく、木材の美しい質感を引き立てる役割も果たします。しかし、注意点として、木部の塗装はコンクリートや金属の塗装とは異なるため、専用の塗料を選ぶ必要があります。また、塗装によって調湿機能が妨げられたり、紫外線のダメージが蓄積したりすると、塗装が剥がれたり浮いたりするため、定期的な塗り直しも重要です。

 

では、具体的な木部専用塗料として、キシラデコールとガードラックについて見ていきましょう。

まずキシラデコールは、1971年に日本で初めて発売された木材保護塗料で、その実績と信頼性から、2021年現在でも日経アーキテクチュア建材・設備メーカーランキング 木材保護塗料部門で15年連続1位、日経ホームビルダー建材・設備ランキング 木材保護塗料部門で7年連続1位を獲得しています。
特に注目すべきは、キシラデコールの特性として、木材の内部に浸透し、防腐・防カビ・防虫効果を発揮する点です。また、表面に余分な塗膜を作らずに木材の調湿機能を妨げないため、塗膜のフクレやワレが起こりにくいという特長もあります。さらに、日光や風雨に強い耐候性顔料を使用することで、木材を長期間保護し、鮮やかな色が持続します。

 

次に、ガードラックについて見ていきましょう。1978年から販売されているこの塗料は、「木材の持つ美しさ、肌合い、温かみを大切にしたい」
「地球上の限られた天然資源である木材の美しさを長時間保ち続け有効活用を図りたい」という願いから開発されました。特に防腐防虫防カビ効果を重視し、薬剤をマイクロカプセルに封入しています。これにより、カプセルの小さな穴から徐々に薬剤成分が放出されるので、薬剤の効果が長持ちします。また、薬剤がカプセルに封入されているため、直接薬剤に触れることなく安心して使用することができます。ガードラックは、浸透タイプの塗料で、塗膜を形成しつつも木の調湿機能を妨げない特徴があります。塗膜は強固で、木材を紫外線やシロアリから守る役割を果たします。さらに、日本の建物の色を考慮した豊富なカラーバリエーションがあり、自分の好みに合わせて色を作ることも可能です。

 

しかし、どれだけ優れた塗料を使っても、その性質を理解していなければ適切な効果を得ることは難しいでしょう。木材用の塗料は、気温や湿度の影響を受けやすいという特性があります。適切な施工スケジュールを組み、しっかりと乾燥させることで、より良い仕上がりを得ることができます。木部塗装は、その特性と専用塗料の性質を理解した上で行うことが重要です。専門の職人に依頼することで、美しく、且つ長持ちする木部塗装を実現することができるでしょう。

 

最後に、木部の塗装方法と木部専用塗料について理解することは、木材の特性を保ちつつ、その美しさと耐久性を強調するために必要不可欠です。
特に、キシラデコールとガードラックは、その特性と利点を理解し、適切に利用することで、最高の結果を得ることができます。
しかし、最良の結果を得るためには、専門的な知識と技術を持つ職人に依頼することが最善の策です。木部の塗装は単なる美化だけではなく、木材を保護し、その寿命を延ばす重要な工程です。より良い家、より良い生活環境を目指すなら、正しい塗装方法と塗料の選択は必須と言えるでしょう。