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〜職人不足と外国人労働者(前編)〜

先日、街中を歩いていたら、ロボットが接客をしているお店がずいぶん増えたことに気付きました。

近づいてみると、感じの良い声で迎えてくれ、なんだか楽しい気分になりました。

技術革新はすごく、未来はどんなことができるようになるんだろうとワクワクした一方で、

ふと、「ああ、これも人手不足の一面なのかな」とも思いました。

 

私たち塗装業界でも「職人が足りない」という話をよく耳にするようになりました。

今回は職人不足と塗装業界の未来について考えみたいと思います。

 

 

職人不足の現状は?

今、日本では少子化による労働人口の減少が問題になっています。

 

私たち塗装業を含む建設業界の職人不足も深刻です。

株式会社帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査(2018年 4月)」によると、

建設業の64%が従業員不足に陥っていることがわかったそうです。

また、厚生労働省が2014年5月2日に公表した

「労働市場分析レポート第33号 建設業界と雇用の動向に関する長期分析」によれば、

2012年の塗装工事業における従業者数は12万1千人、2001年は15万人。

つまり、約10年で3万人近く従業者数は減っているということです。

その一方で同じ建設業界でも、とび・土工・コンクリート工事業など、ここ10年ほとんど従業者数が変わっていない業種もあります。

 

嬉しいことに、リフォームやリノベーションなどの人気が高まっていることで、近年の塗装の需要は増えています。

それなのに、職人はどんどん減ってしまったら、職人不足の現場が増えて、施工の質の低下につながりかねません。

人件費を上げて職人を確保する会社は、コストが増えるので、施工費を上げざるを得なくなるでしょう。

職人不足は他人事と思わずに、私たちもしっかり向き合っていかないといけない問題だと感じています。

 

職人不足の原因は若手不足

では、職人はなぜ減ってしまっているのでしょうか?

1番大きな原因は、若い人たちがこの業界に入ってこないということのようです。

 

職人の年齢層はあがっています。多くの会社ではキャリア20,30年の40,50代の職人が中心になっているでしょう。

熟練と呼べる職人が多いことは、施工の面では間違いなくプラスになります。

しかし、年齢の高い職人は徐々に引退していってしまいます。

若手がいないのに熟練の職人がいなくなってしまったら……これは、とても大きな問題です。

 

若い人たちに選ばれない理由のひとつは、建設業界全体に言えることですが、

まだまだ3K「きつい・汚い・危険」のイメージがあるためのようです。

また、一定レベルの技術を身に付ける途中でギブアップしてしまう人も少なくありません。

「職人」と呼ばれる人材になるには、塗装技術に加え、日々進化する塗料の知識を身に付けたり、

施工期間中お客さまが気持ちよく過ごせるような人間力を磨いたりもしないとなりません。

「なんとなく」で仕事に就いた若い人が辞めてしまうのは無理がありません。

 

プロの塗装を提供し続けるために

私は、小さなころから塗装職人である父の背中を身近に見てきました。

服や手に塗料を着けていることもありましたが、堂々としている父を見ていると、

仕事に自信を持っていて、日々達成感を得ながら仕事をしているのが伝わってくるようでした。

だから、3Kのような感じ方をすることはなく、自然と私も職人の道に進みました。

 

プロの塗装技術で地域のお客さまに長く寄り添っていくために、何ができるか考えてみると、答えはひとつ。

それは「人材育成」です。志のある人と共通の夢を持つことで塗装業界の技術を次世代に繋いでいくことができ、

お客さまに長くご満足いただけると思うのです。

 

そして、ぜひ未来を託したい人材とは…ロボット…ではなく、これからの日本の若者だと私は考えています!

 

 

後編へ続く