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〜雨樋のメンテナンス その2〜

雨樋のメンテナンス つづき

 

 

〇傾斜が正常ではない

雨樋は実は水平ではなく、集水器に向かって排水しやすいように傾斜がつけられています。

この傾斜が逆向きになっていたりずれていたりすると、雨水がきちんと流れずあふれてしまいます。

雨樋の傾斜が正常でないときは大抵、支持金具がゆがんでいます。

支持金具は文字通り金属なので、力を加えれば自分で直せることもありますが、

力加減を誤ると金具が壊れてしまうので、自信がない方はプロに任せて交換してもらうのが一番無難です。

↑中央部が凹んでしまっている

 

〇支持金具の外れ

雨樋を支えるはずの支持金具自体が外れている、抜けてしまっているという場合、雨樋にかなりの負担がかかっています。

金具の取り付け工事だけではなく、雨樋全体を交換することになるケースが多いです。

自分で修理をするのは難しいため、業者に見てもらうようにしましょう。

 

〇継ぎ手に隙間がある

雨樋の継ぎ手に隙間・はずれがあるときは、接着不良か経年劣化が考えられます。

まだ経年劣化していない雨樋で、継ぎ手が1、2箇所外れている程度であれば、「雨どい接着剤」で応急処置をすることは可能です。

ただし、接着剤による補修は一時的な処置でしかありません。

状態が悪くなければ工事費用は5千円程度で済むので、症状が悪化してしまう前の早い段階で業者に相談した方がよいでしょう。

補修が必要な雨樋の穴や割れなどの破損が、複数箇所にわたる場合には注意が必要です。

全体の強度が落ちていることも考えられるので、雨樋全体の交換をした方がよいこともあります。

 

~雨樋工事の施工手順~

既存の雨樋を取り外し

集水器や支持金具なども全てです。2階や3階の雨樋を取り外す場合は、足場を組んでから行います。

また支持金具を外すときも、外壁や軒先部分の横面を痛めないように丁寧に施工していきます。

 

軒樋の勾配(傾斜)を決めて支持金具を取り付け

勾配の決め方は主に2通りあり、ひとつは集水器と繋がっている方向とは反対側から

集水器に向かって下がるように水糸(水平線を示すのに用いる糸)を張って印付けします。

もしも両サイドに集水器がある場合は、軒先の中央から左右に少しずつ下がるように水糸を張って印付けします。

二つ目は元々支持金具が取り付けてあった穴の位置を参考に勾配を決める方法です。

 

支持金具の穴を防水コーキング剤で処理

その作業を怠るとその穴が元で雨漏りが発生することもありますので、全ての穴を塞ぎます。

 

軒樋に継手や止まりの取り付け

止まりとは、軒樋の端にあり雨水をせき止める部材です。

継手、止まりと軒樋の接着部分に雨樋専用の接着剤を塗ります。

 

集水器を取り付け

集水器は、軒樋からの雨水を集めて竪どいに送る漏斗(じょうご)のような部材です。

両方から集水器に軒樋を差し込んで取り付けます。

古い軒どいをそのまま使用する場合は、収縮性コーキングで直接、集水器と軒どいを繋げます。

集水器付近に支持金具を取り付け、強化します。

 

竪樋を取り付けて集水器と接続

竪樋の垂直部分は支持金具を取り付け、固定します。

 

排水経路の確認

竪樋から出た雨水がキチンと雨水枡(排水溝)まで流れるかを確認します。

地面に排水溝が埋まっている場合は、排水溝入り口に竪樋を繋げます。

雨水は下水ではないので、地域によっては、そのまま道路側溝へ排水することもあります。

排水方法は、自治体ごとで異なります。

 

~まとめ~

DIYが流行っている昨今、ホームセンターなどで道具を購入して、

セルフで雨樋交換をやる方もいますが、2階などの高所にある雨樋には安全な足場が必要であったり、

取り付け時に不備があった場合、雨樋としての役割を果たすことが出来ず、逆に金額的にも高くついてしまう…なんてこともあります。

高所での作業ですので、転倒や落下の危険も伴います。

雨樋は自分の力だけでは点検やメンテナンスが難しい箇所でもあります。

変形や破損といった目に見える大きな不備がない限り、

雨樋のみをメンテナンスすることはないと思いますが、普段なかなか気にならない箇所だからこそ、

外壁塗装や屋根工事の際に同時に点検やメンテナンスをしてもらうことをお勧めします。

同時に工事をすることで、金額的には費用は掛かってしまいますが、

雨樋工事のためだけに足場を設置するよりはコストを安く抑えることができます。