金属製の屋根は軽量で耐久性に優れ、多種多様な形状に適応可能な特徴から、個人宅から商業施設、工場まで幅広い範囲で使用されています。
以下では、金属製屋根材の生産におけるトップランナーたちをご紹介いたします。
D’s Roofingは、ハリケーンが頻発する米国で生まれた耐久性に優れた屋根材を提供しています。ディートレーディング株式会社は20年以上前に現地メーカーと提携し、日本国内での販売をスタートしました。それ以来、日本特有の気候条件や防災、快適性、施工性などに配慮した継続的な検証が行われています。
主成分である「ジンカリウム鋼板」は、腐食や熱に強く、軽量で加工しやすいという特徴を持つ材料です。さらに、表面に石粒状の仕上げを施し、屋根材と屋根下地の間に十分な空気層を設けることで、金属屋根特有の熱伝導や表面温度上昇という問題を解消しています。この表面の石粒の凹凸は雨粒を散乱させ、雨音を軽減する効果もあります。
伊藤忠建材は、屋根材だけでなく住宅設備機器や外壁材など、さまざまな住宅建材を製造・販売しています。同社の金属屋根の代表作は「スカイメタルルーフ」で、錆びにくいジンカリウム鋼板を基材に、その上に石粒を接着した屋根材です。スレートなどの一般的な屋根材の約1/3の重さであり、石粒の作用により雨音や熱の伝播を抑制するという特性があります。
高い防災性、耐久性、軽量性、耐候性を認められ、世界各国で使用されています。国内製品は施工性と美観性にも優れています。この耐候性は、石粒を700度以上の高温で焼成することで得られます。その表面はガラスコーティングされた状態になっているため、耐候性が高く、長期にわたって維持費を抑えることが可能です。さらに、石粒の層の存在により、様々なデザインが可能になります。
セキノ興産は60年以上にわたり金属建材の製造・販売を行っている、歴史と伝統のあるメーカーです。地震大国である日本では耐震対策が不可欠であるという認識のもと、金属製屋根の開発に注力しています。主要な基材は薄く、軽い「ガルバリウム鋼板」で、これはアルミニウムと亜鉛を主成分とする錆びにくい金属板です。
多彩な商品ラインナップがあり、リフォーム時には既設の屋根材や用途に合わせて選ぶことが可能です。「柾目FLeX」は、金属ながらも平行した木目を模したデザインが施され、伝統的な日本の建築物にも適応可能な屋根材です。また、屋根に穴を開けずに太陽光パネルを取り付ける工法にも定評があります。
IG工業は金属製外装材の専門メーカーで、「ガルテクトシリーズ」の名で、金属板と断熱材を一体化した屋根材を展開しています。これらの製品は軽量かつ断熱性に優れているため、木造建築との相性が良いです。
基材となる金属板は、ガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加したもので、一般的なガルバリウム鋼板に比べて寿命が3倍長いとされています。特にガルテクトシリーズのスーパーガルテクトCは短尺タイプで、小型トラックで現場へ運搬可能なため、狭い場所でも施工が可能です。
優れた断熱性、軽量性、施工性、防水性を持ち、災害発生時の供給による復興支援などの貢献が評価され、令和2年度全国発明表彰「日本弁理士会会長賞」を受賞しました。
過去には、金属屋根の材料と言えば、トタン板や銅板が主流でした。しかし現在では、新しい材料の開発が進み、金属屋根のデメリットをほぼ克服した商品が多数市場に出回っています。リフォーム時には金属屋根の選択肢を検討するのも良いかもしれません。さまざまな特性を備えたこれらの金属屋根材は、家庭だけでなく、企業や工場などでの使用も視野に入れています。より良い生活環境と生産性を追求する今日、これらの先進的な金属屋根材の需要はさらに高まることでしょう。