ブログ

blog

10~15年周期での塗り替え

日本の住宅において、「10~15年に一度の塗装」が推奨される背景には塗料の耐用年数や環境条件、さらには住宅の構造と品質にまつわるさまざまな
要因が存在します。
今回は、その理由や背景を詳しく解説します。

1. 塗料の耐用年数:使用可能期間の意義

「耐用年数」とは、製品がその機能を保持する期間を示すものです。
この考え方は塗料だけでなく、自動車やパソコン、家具など多くの製品で用いられます。
耐用年数が5年である製品が、5年後に性能を完全に失うわけではなく、その期間内で徐々に性能が低下していくという意味です。

日本の住宅で主流となっているシリコン塗料や近年注目されているフッ素塗料は、外壁や屋根の塗装において異なる耐用年数を持っています。
これらの数値は、メーカーが厳しいテストを基に設定しており、実際の住宅の状況や気象条件に応じて変動することがあります。

2. 塗料の性能低下:防水性の重要性

塗料が時間と共に性能を失っていく中で、最も注意すべきは「防水性」です。
もともと建物は、風雨や紫外線、さらには排気ガスや塩害といった外部の環境から影響を受けます。このような条件下で、塗膜の防水性が低下してしまうと、建物を保護する基本的な役割が損なわれてしまいます。
このため、10~15年を目安にプロの点検を受けることがとても重要となります。

3. 外壁材の劣化:クラックの問題点

塗膜だけでなく、住宅の外壁材自体も時間と共に劣化しています。
特にクラックと呼ばれるひび割れは、建物の日常的な振動や外部からの圧力によって生じるもので、一般の方はこれらの症状から外壁材の健全性を
判断することは難しいことが多いです。
10~15年の塗装工事は、これらの劣化を早期に発見し、適切な対策をするよい機会となります。

4. 新築の家における塗装の重要性

新築の住宅も建築費の節約を目的として、中間グレードの塗料が使用されることが少なくありません。
そのため、「新築だから大丈夫」という安易な考えは避けるべきです。10~15年の周期での塗装は、住宅の長寿命化や快適性の維持に不可欠です。

まとめ

10~15年周期での塗装は単なる目安ではなく、住宅の健全性と快適性を維持するための基本として捉えるべきです。
早めの点検と適切なメンテナンスにより、住宅を長く大切に保つことが可能となります。