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〜シーリング工事〜

〇シーリング(コーキング)とは 

家の外壁サイディングの特徴といえば、ボードとボードの境目にある継ぎ目です。

この継ぎ目のことを「目地」といいますが、この場所と窓などのサッシまわりには、

シールという、ゴム状のものが埋め込まれています。

このシールの事をシーリング・コーキングともいいます。

 

建築時、サイディングボードを張り終わった工事の後、

はじめはマヨネーズ状になっているシールを目地などに注入していき、

時間がたつとゴム状に固まっていきます。

 

〇時間による経年変化

新築の時は上から塗装をせずに、シールそのものがむきだし状態のため、

紫外線が直接あたる格好となって時間と共に劣化していきます。

特に、家の北東側より陽のあたりがつよい南西側の劣化が激しくなります。

そのため、のちのちの雨水の浸入を防ぐためにも、塗装前にシールの打ち直しの交換工事が必要になってきます。

専門用語では「打ち替え」ともいいます。

打ち直しをせずに塗装も可能かもしれませんが、せっかく足場を組んで工事するわけですから、

多少の費用は加算されてしまいますが全体がより長持ちするということを考えれば、必ずやっておいたほうがいいでしょう。


シーリング劣化の例

紫外線によってコーキングの表面にヒビが入っているのがわかります。

 

〇シーリング材の種類

ウレタンと変性シリコン

ウレタンと変性シリコンという品質の異なる2種類があります。

一般的に変性シリコンのほうが質は上と言われていて、価格も若干高い傾向があります。

ですが、シリコン・ウレタンとも大きな差はありません。

変性シリコンの場合はシールがむき出したままの状態でも、

紫外線による劣化が少ないメリットがあり、ウレタンの場合は塗装との密着が優れています。

 

そのため

・シーリングの交換(打ち替え・増し打ち)だけなら変性シリコン

・通常の塗り替えの場合はウレタン

とケースによって使いわけをします。


1液タイプと2液タイプ

さらに、1液タイプと2液タイプの2種類に分かれます。


1液タイプのシーリング材・・・

ホームセンターでもよく売っているのが、このタイプです。

そのまますぐにガンにセットして注入できるタイプです。

1本1本のカートリッジ式になっています。


2液タイプのシーリング材・・・

2つの材料を専用の攪拌機を使い、それぞれ混ぜ合わせてから使用します。


1液と2液、どちらがいいのか?

どちらにしても、長持ちする肉厚のあるシール工事をするためには、たっぷりとボリュームよく注入する必要があります。

少量のシール工事で済む家の場合は1液タイプ。

家の多くの場所にシール工事をするなら、2液タイプのほうが多くのメリットがあります。

→ なぜ2液タイプが優れているのか

 

サイディングの外壁の場合、ほとんどの場合で家全体のシールの打ち直しをします。

その全体のメートル数は、一般の家の場合で最低でも200メートルはあります。

2液タイプは業務用のシールなので、6リットル入りまであるために、

量的にもあまり気にすることなくたっぷりとどんどんと注入することが可能です。

注入後にヘラでならす作業がありますが、このとき余分にすくい取られたシールと

横にはみだしたシール分は再度ガンに吸い込んで注入することができるため、最終的に無駄がなく使用することができるのです。

デメリットは、硬化剤を入れると固まってしまうので保存がきかないという点です。

 

一方1液タイプは1本につき約300ミリリットルほどしかないため、

家全体にどんどんたっぷり注入するという打ち直しには向いていません。

同じ量を比較した場合、価格的に2液タイプより1液タイプのほうがコスト的にかなり高くなってしまう上に、

1液タイプは吸い込んで再度注入することができません。

打ち換え・・・古いシールをカッターなどで撤去して、シールを新しく注入する。

増し打ち・・・古いシールをそのままに、上からシールを継ぎ足していく。

目地の場合はシールがサイディングボードより出っ張ることはなく、ほぼ同じか数ミリ程度くぼんでいます。

そのため、増し打ちできるほど厚みがたもてる状態にならないことが多く、ほとんどの場合が打ち換えになります。

サッシまわりの場合は、少なからずサイディングボードからサッシの窓わくが突出しています。

外壁サイディングとサッシは、直角のように角度があるため、カッターを入れての撤去が困難な場合のときもあります。

無理に撤去して、カッター等でサッシを傷つける可能性があるときは増し打ちをします。

角度があるため、増し打ちでもシールの肉厚がたもてることができます。

 

 

〇シーリング工事の流れ(打ち換え)

①古いシールの除去

カッターなどを使用し、古く劣化したシールを除去していきます。

壁に傷をつけないよう、またシールの取残しがないよう目地内の汚れやホコリもキレイに除去します。

 

養生&プライマー塗布

外壁がよごれるのを防ぐため目地の周りに養生を施した後、シーリング材の接着を強めるためのプライマーという接着塗料を塗布します。

 

③シーリング材注入

シーリングガンを使用し、目地にシーリングを注入します。

ノズルを押し付けるような感じで空気の侵入を防ぎながらシーリングしていきます。

 

④ならし作業

注入したシーリング材をヘラ等を使用してならしていきます。綺麗に仕上げるための大切な工程のひとつです。

 

⑤施工完了!

シーリング材が乾いて固まる前に、養生をはずします。シリコン系シーリングは1時間程度で硬化が始まります。

半日から1日程度の時間をとりシーリングが完全に硬化したら完了です!