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下塗へのこだわり(シーラー、フィラーの違い)

塗装は下塗り→中塗り→上塗りの順に工事を進めます。中でも仕上がりを左右する最も重要な工程は、すべての基礎となる下塗りになります。

そして、下塗りで大切なのは、外壁の素材や状態に合わせて下塗り材を使い分けることです。今回は下塗りについて詳しくご紹介します。

 

そもそも、どうして下塗りをするの?

 

下塗りとは、下地材(壁材)に直接塗料を塗ることです。「クラックを埋めて下地の凹凸を調整」し、「上に塗る塗料の密着度や耐久性を高める」ことが主な役割といえます。さらに、下塗りをていねいに行えば、色つやがよくなる、表面にムラができにくくなるといった効果もあります。

下塗りによって、下地材への塗料の吸い込みを防ぐこともできます。例えば木材に塗料を塗ると、吸い込んでしまい、きれいに仕上がらないことが想像できると思います。外壁塗装においても、下地材が劣化すると表面がスポンジのようになり、塗料を吸い込んでしまい、密着度も出来栄えも悪くなります。素材にあった下塗材を十分に塗ることで、上に塗る塗料の吸い込みを防ぎます。

下塗りには、既存の色を隠す狙いもあります。異なる色で塗り替えをする場合などは、美しく発色するように、しっかりと下塗りをする必要があります。

 

 

下塗材には「プライマー」と「シーラー」がある

 

下塗りをする効果を最大限に引き上げるために必要なのは、下塗材を正しく使い分けることです。塗料メーカーによっては上塗り材との相性をみて、下塗材を指定していますが、そうでない場合は職人が適切なものを選びます。

 

一般的には、下塗材として「シーラー」と「フィラー」があります。

○シーラー

・シーラーには「接着・覆い隠す」という意味があります。

・主な特徴は、下地材に浸透しやすいこと。そのため、液体を吸収しやすい素材の場合には十分に下地材に吸収させておけば、上に塗料が吸い込まれてしまいムラになるのを防止することができます。

・溶剤には水性と油性の2種類があります。外壁の劣化度合いや上塗りの塗料に合わせて使い分けることで、上塗り塗料の性能を十分に発揮させます。多くの場合、劣化が少ない場合は水性、劣化が激しい場合には油性タイプを使います。

・ほとんど同じ用途で使うものとして、プライマーがあります。メーカーによっては区別せず同じものとして扱っていることもあります。

 

○フィラー

・「埋める物、詰め物、充填材」の意味を持ちます。

・凹凸のある下地を平らで滑らかな状態にしたり、クラックを埋めて下地を調整したりするために使用します。

・主にモルタル外壁に使用されます。「微弾性フィラー」と呼ばれるフィラーとシーラーの役割を兼ね備えたものを使用します。

・フィラーには水性タイプしかありません。下地の劣化が激しい場合は、シーラーを吸い込ませてからフィラーを塗るケースもあります。

・シーラーに比べて、厚目に塗ります。下地材に断熱材が入っている場合、塗膜の膨張を起こしてしまうことも…。下地材によっては使用できません。

 

 

下塗りを重視する業者を選ぼう

 

下地材の状態が非常によく、異なる色を使わない場合は下塗りをしなくてもよいのでしょうか?

答えは「NO」です。下塗りは必ず行うと考えてください。もし、下地材の状態がいい、上塗り材が優れているなどと理由をつけて「下塗りをしない」と業者が主張してきたら、信頼すべきではありません。

また、どんなに優れた上塗り材を使っても、下塗りがしっかりしていないとすぐに剥がれてくる可能性はあります。

下塗りの塗料は色がつきにくいため、下塗りの工程を終えた段階では、塗りムラがあるように見えてしまうことも覚えておいてください。きちんと塗ってくれたのか気になる場合、どれくらいの缶を使ったのか業者に尋ねてみましょう。そして、それが見積書の数字と合っているかを確かめてください。嘘のない仕事をしている業者であれば、真摯に対応してくれるはずです。

 

弊社では下塗りに力を入れて、施工するよう心がけています。本来は1回塗りの多い下塗りですが、経年劣化の度合いによって2回塗りをご提案するなどしてます。

下塗りは目に見える部分の工程ではないため、簡単に済ませている業者もあります。ですが、今回ご説明した通り、上塗りの性能を十分に発揮させ、見た目も美しく保てるようにするために非常に重要。下塗りを重視している業者を選ぶことは塗り替え成功への近道と言えます。