お客様のお宅での打ち合わせ時、よく「この部分も塗装できますか?」と様々な箇所についての質問を受けます。できる限りお客様の要望に応えたいところですが、実はお家やお庭には塗装すべきでない箇所が存在します。今回は、塗装を行うべき箇所と避けるべき箇所について詳しく解説します。
塗装の適用箇所は、使用されている素材によって決まります。
サイディング:外壁材の一種で、壁材市場の約80%を占める。窯業系、金属系、木質系サイディングボードのすべてが塗装対象です。
鉄:門扉、フェンス、ガレージ、物置、鉄骨、階段、手すりなどに使用。錆止め塗料や上塗り塗料の性能よりも、ケレン作業が重要。
プラスチック:ベランダのデッキ、窓枠、雨どい等に使われる。サンドペーパーで下地処理を行い、塗料の密着を向上させる。
セメント:外壁や屋根、破風板などに使用。雨に晒されることで劣化しやすいため、塗装による防水効果が必要。
木材:ベランダ、フェンス、戸袋などに使用。燃えやすく、割れやすい、腐りやすい、虫に食われやすいため、塗装が必要。
ALC(軽量気泡コンクリート):外壁や屋根に使われる。遮音性・断熱性・耐火性は優れているが、防湿性・防水性が弱いため塗装が必要。
ケイカル板:水酸化カルシウムが主原料で、耐火断熱性が特徴。軒天や外壁に使用されるが、汚れや劣化が進むため塗装が必要。
主にアルミと銅の2つの素材が該当します。
アルミ:窓サッシやシャッターによく使われる。アルミ表面に保護処理が施されており、他の建材よりも劣化しにくい特性がある。しかし、この処理のため塗料の密着が悪く、浮きや剥がれがすぐに生じるため、基本的には塗装を避けるべきです。
シャッターの場合は、塗装による厚みが開閉を困難にする恐れがありますが、シャッターボックスのほとんどはスチール製であり、塗装が可能です。
銅:ひさしや屋根の水切りに使用されることがある。銅は金属であり、時間の経過とともに酸化する。酸化が進み緑青に変化すると、腐食が起こらなくなり、高い耐久性を持つため、塗装は必要ないとされています。
塗装する箇所としない箇所は素材によって判断できますが、多くの方が「素材がわからない」という状況に直面することでしょう。しかし、ご安心ください。プロの業者はどの素材かを見極めることができ、塗装の可否を適切に判断します。塗装を検討している箇所がある場合は、まず専門家に相談してみてください。