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海外と日本の塗料の違い

塗料を選ぶ際の重要なポイントは何だと思いますか?

多くの方が防水性が重要だと思うでしょう。

私たち専門家も防水性を大事にしています。日本は四季があり、年間の降水量は世界平均の約2倍だと言われているため、建物内部への水分の侵入を防ぐ塗膜が必要です。

さて、世界中で様々な価値観に基づいて塗料が作られています。今回は、世界と日本の塗料についてご紹介します。

カラーバリエーションが日本の100倍!

世界の塗料市場を見ると、アメリカやヨーロッパの企業が常に上位にランクインします。これらの国の塗料の特徴は、色の種類が非常に豊富であることです。

日本では、「古い家に住むのは避けたい」という考え方が高度成長期から残っています。一方、アメリカやヨーロッパでは「歴史ある古い家は素晴らしい」という価値観が根強くあります。家の建て替え周期は、日本が約30年なのに対して、アメリカは60〜100年、ドイツは80年、イギリスは約130年です。この期間中、住民たちは塗装を通じて自分好みの歴史ある家を楽しんでいます。

また、アメリカでは住宅売買の80%が中古住宅で、整備が行き届いた物件は新築と変わらぬ価格で取引されているとのことです。多くの人が塗装をして家を良い状態に保とうという意識を持っています。

これらの理由から、アメリカやヨーロッパでは塗料への関心が高く、消費量が多いだけでなく、多様性もあります。同じ色でも濃さや質感が微妙に異なる塗料がたくさん存在し、また、日本では珍しい色も取り揃えられています。例えば、植物と調和しエコを感じさせるグリーン系や、希望・平和、自然をイメージさせるブルー系の需要も高いと言われています。

「安全」に価値を置く塗料

海外では天然素材の塗料が人気です。この分野で先進しているのはドイツです。

ドイツは、以前から国全体で環境問題への取り組みが活発で、現在ではエコ推進国として世界的にも名高い国です。塗料においても、自然環境や人体への負担を軽減し、子供たちのおもちゃにも安心して使用できる製品が重視されてきました。その結果生まれたのが、天然素材の塗料です。主要成分には、亜麻仁油やひまわり油などの植物油が使われており、安全性が確保されていると言われています。一般的な塗料に比べ耐久性は劣るものの、安全性という価値で高く評価されています。

驚異の伸縮性!

オーストラリアの塗料は、非常に優れた伸縮性が特徴です。

オーストラリアは、自然が豊かで穏やかな国だと思われがちですが、実際の自然環境は過酷です。紫外線は日本の3〜5倍も高く、乾燥や豪雨、塩害などが常に脅威となっています。これらの厳しい環境は、塗膜にとっても厳しく、劣化しやすいと言えます。そこで、塗料の伸縮性を高め、塗膜の寿命を延ばす工夫がなされています。

高品質な日本の塗料

それでは、日本の塗料の特徴は何でしょうか?私は、日本の自然環境や建築物を研究し尽くした成果が詰まっており、専門性や機能性が高いと考えています。DIY文化が盛んな海外とは異なり、日本ではプロの職人が施工を行います。そのため、日本の塗料は品質の向上が進んでいると思われます。

こうして比較してみると、塗料には地域性があり、非常に興味深いと感じませんか?近年、海外市場に進出する日本の塗料メーカーが増えており、各国の価値観に合った塗料の開発が日本の塗料の品質向上につながっているでしょう。今後どのような塗料が登場するのか、期待が高まります!

地域性を考慮していくことで、塗料はさらに多様性を増し、より適切な製品が提供されることでしょう。世界各国の価値観を理解し、それぞれの環境や文化に適した塗料を開発することが、塗料業界全体の発展に寄与します。

最後に、塗料の選び方や使用方法に関しては、各国の気候や文化を考慮することが大切です。日本のような高い降水量がある地域では、防水性を重視した塗料が必要であり、オーストラリアのように紫外線が強い地域では、伸縮性に優れた塗料が適切です。また、環境に配慮した塗料を求める国では、天然素材の塗料が受け入れられやすいでしょう。

これからも、地域性や価値観に応じた塗料の開発が進むことで、建物の保護や美観の維持に役立つことを期待しましょう。